662A9237

Report

サッカパウ × 一心鮨 光洋
collaboration dinner
後編

開店直前の慌ただしい時間。店内にリズム打つハウスミュージックに被さるように、端正に研がれた和包丁が小気味よく動く。板前白衣とコックコートを纏うスタッフが入り混じり、立ち回る。その様子は一見ちぐはぐに見えて、いやだからこその、奇妙なグルーヴ感が醸し出されている。

662A8933

662A8974

クリエイティブイタリアン「サッカパウ」と、宮崎が誇る名店「一心鮨 光洋」による、国やジャンルを横切るコラボディナー。前編に引き続き後編は、いよいよイベントの模様をお届けしよう。
「まさに今、宮崎のお店で出している食材を持参しました。サッカパウさんの力を借りて、ふだんできないような、モダンな形でお出ししたいと思います」

662A8908

磨き上げられたワイングラスに負けじと!期待に目を輝かせる客に挨拶するのは「一心鮨 光洋」の店主、木宮一光さん。アウェイの現場ゆえ緊張してる?と思いきや、意外とのびのびとした表情。「顔なじみの方も多いですし、ここは僕らと同じカウンター商売なので」。そう!まさに「サッカパウ」の特徴でもあるカウンター内の広いオープンキッチン。そこに親和性を感じているようだ。

662A8876

662A8903

のっけから出てきたのは珍味の王様、キャビア。これを、パルメザンチーズを薄く焼いたイタリアのクロカンテに乗せていただく。宮崎で獲れたチョウザメの卵を、職人自ら塩漬けしたキャビアは、塩気がほどよく、上品な味わい。

662A8931

662A8937

662A8955

続いて登場したのは、宮崎産ヤイト鰹の現代風タタキ。桜チップで燻製しガラスジャーに閉じ込めた状態でサーブ、開けるとモワッと煙立つ演出、だけでなく!味わいふくめて、まさにイリュージョン。スモーキーな風味、パリッパリに焼いた皮目の香ばしさ、自家製ポン酢、イタリアの魚醤コラトゥーラ、日向夏のジュレを使ったタレが、鰹独特の鉄っぽい旨味を、みるみる引き立たせてくれる。

662A8979
662A9043

続いて流れるように、泳ぐように盛り付けた、極めて希少な淡水魚ホンモロコのフリット。そこに水紋よろしくガリのピューレが添えられる。こんな細かなところにも、コラボの醍醐味をしっかりしたためる。

662A9119

662A8991

662A9008

662A9051

662A9090

好奇心をゆさぶり、盛大にくすぐってくる!そんな「サッカパウ」が得意とする食の提案は「一心鮨 光洋」側も負けていない。たとえば宮崎産平鯛の刺身。ともに供される、ほんのり透けたピンクのこれ、実はすだちで湿らせた岩塩プレート。ここに刺身を両面付けて、ひと口。二週間熟成させたというとろとろの白身と塩、そこに樽熟成させたオレンジワイン、この三位一体感たるや!

662A9179

662A9153

662A9201

そう、忘れてはならぬ。「一心鮨 光洋」店主にしてソムリエの木宮さんが仕掛ける、ワインのペアリングも絶好調!続く玄界灘ワタリガニのパスタには、ぶどうのタネや皮も一緒に漬け込んだ北イタリアの白をチョイス。香りはほの甘く、口当たりはドライ。「冬のほうが圧倒的に身が甘い」という濃厚なカニに、バッチリぴったり添わせてくる。

「食べて、何が残るか。僕のペアリングは、その余韻にしっかり飲み頃を迎えたワインを合わせていく。ナチュールとかクラシックとか、軽く超越したところでいい時間を過ごしてもらえるように」
そう語る木宮さんのプレゼンテーションに「ハレの舞台、頑張れ!」とでも言いたげに、微笑ましく耳を傾ける常連客たち。「なんだか参観日の生徒みたい」と、照れながらもうれしそう。

662A9155

662A9281

662A9315

662A9300

宮崎のお店では、焼きで提供している大分産の天然虎河豚白子はフリットにして、イベント用に再構築。地元の名焼酎「百年の孤独」でお馴染みの黒木本店が水耕栽培したクレソンのリゾットを合わせた。クリーミーでコクがある白子に対する苦みのエッセンスで、バランスとリズムを。

662A9420

662A9346

662A9374

だしを注いで仕上げる甘鯛の焼き物は、炭の香ばしさと独特の旨味が絶妙。そこにぶつけたワインが、さらにさらに超絶妙。「こんな組み合わせ、どうやったら思いつくんだろう」というつぶやきが、どこからか聞こえてくる。

そして、いよいよお待ちかね!の、握りタイム。

662A9429

662A9602

料理長の空久保さんが、ずずいとカウンターの最前に寄り、上村さんがテーブル席までワゴンを持ち込み、客の眼前で熟れたパフォーマンスを繰り広げる。寿司屋では見慣れた光景だけれども、空間が違うというだけで、こんなにもドキドキうっとり、見惚れてしまうのはなぜだろう。

そこからはトントントンと、リズミカルに至福のひとときが続く。

662A9498

662A9487

662A9523

細かく細かく刃を入れた水イカは、心底昇天レベルのねっとり感。

662A9570

662A9610

苦手な輩も虜にする漬けエビは、人生を一変させるしっとり感。
その他、削った柚子ををはさんだり、松前漬けにしたり。手の込んだ繊細な仕事が詰まった鮨と、貴腐の混ざったソーヴィニヨンブランとの恍惚のバランスに、胸の奥まで熱く酔いしれる。旨味の大観覧車が、口の中をゆっくり愉快にめぐる。握る手も、握られた鮨も、こうごうしく輝いている。

662A9495

662A9457

662A9464

662A9555

662A9572

と、ここで終わりと思いきや、伊勢海老を20匹(!)使ってだしをとった味噌汁で、旨みのダメ押し。
デザートには、宮崎産完熟キンカンたまたまのジュレでさっぱり。

662A9587

662A9642

662A9614

662A9644

持ち帰り用のバラ寿司で「自分だけ、こんなに幸せな思いをしていいのだろうか」という罪悪感を相殺。
思わずスタンディングオベーションしたくなるような、完璧な一夜だった。それをガッチリ裏付ける、参加者の興奮混じりのコメントを最後に紹介しよう。

「文句のつけようがないくらいおいしかった!大将から宮崎の話も聞けたので、いつか絶対行こうと思いました」(サッカパウ常連のお客様・男性)

「ただおいしくて楽しいだけじゃなく、すべてに意外性があって、新しくて、勉強になりました」(ソムリエ・女性)

「メニューの組み立てや、ワインとの相性もよくて、和と洋なのに、自然にどっちにも入っていける感じ」(飲食関係・女性)

「すごく考え抜かれてますね。それぞれに個性のある有名なお店なのに、おたがいのいいところを引き出そうとしている。尊敬しているから、こそなんでしょうね」(ワイン会社・女性)

SHOP DATA

/

一心鮨 光洋

宮崎県 宮崎市 昭和町 21
tel: 0985-60-5005

オフィシャルサイトは → コチラ

Contact Us

Name
Email
Title
Message

この内容でよろしければチェックを入れてください