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Seju Yang

Voice

若き天才ソムリエの美意識と苦悩。

「僕にとって音楽とワインは、入口が一緒だけど出口は別。何かしらのインスピレーションを受けたものの表現方法が、ただ違うというだけなんです」

こうして梁さんと向き合い、少し言葉を交わすだけで堂々とした自信と、感性のほとばしりがひしと伝わってくる。

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「たとえば料理に合わせて、6~7種類のワインを出す時にも波があると思っていまして。大音量のヘビメタの時もあれば、静かなピアノの時もある。その緩急の感覚が、音楽と密接に関わっているんです」

大阪で生まれ育った梁さんは、19歳から10年間アメリカに在住。当初の目的は音楽留学だった。

「ボストンで1年間クラシックの勉強をしながら、実はその間もずっと『飲食で働きたい』という思いが頭から離れませんでした。高校1年生から飲食店でバイトしていて、接客というのは自分にとって天職のひとつだと思っていたので」

そうだ、飲食であれば世界で最もハイレベルな街がすぐそばにあるじゃないかと、さっそくニューヨークに移住。残りの9年間は、まさに生き馬の目を抜くようなこの街に身を置き、音楽家としての自分、そしてトップレストランでソムリエとしての自分、その二刀流をひたむきに貫いてきた。

「飲食のプロってなんだろうと考えた時に思うのは、知識や経験、技術だけではない、精神的、哲学的な部分をすごく学びましたね」

 たとえばニューヨークでは、ソムリエ同士の情報共有がすさまじい。自分が仕入れた知識をすぐに引き渡すのだという。

「感じ方によってはリスクですが、さらに成長していくために、みんなが自分にプレッシャーをかけている。可能性は無限大にあると信じていて、常に新しい物事が生まれ、それがあっという間にシェアされる。社会的、文化的にもひとりのプロとしての勉強を怠らない。貪欲だと思います」

しかも梁さんは若きアジア人。数多の苦労は想像に難くない。「でも色眼鏡をかけず、いいものはいい、とちゃんと認めてくれる街でもあるんです」

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帰国後はミシュラン三つ星の日本料理店や、老舗の中華料理の名店でシェフソムリエとしてVIP対応のサービスに従事、やがて代表の大澤氏と出会い「デリシャス・リンクス」に入社した。日本のソムリエの価値を上げるための教育にまつわる仕事がしたい、そんな夢を携えて。

「ソムリエの資格を持ってから、本物のソムリエになるためにするべきことはたくさんある。しかもそれを能動的に学ぶことの楽しさを教えていきたいんです。と同時に、現場でもちゃんと接客がしたい。ふたつを満たしてくれるのが、この会社でした」

梁さんは現在「サッカパウ」にて、ワインペアリングのセレクトにも携わる。

「この店のカウンターは距離感も近いですし、アーティスティックなことを求めてくるお客さんにも、また本物の仕事がしたいという僕にとっても、最高にかなえてくれる舞台である、そう思っています」

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Profile

梁 世柱 / Seju Yang

サッカパウ・シェフソムリエ

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