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TOSHIHIKO TAKI

Voice

パティシエ侍の甘くない修行道。

「ひとつのことにずっと集中していられる。凝ってしまうんです」

何をやっても続かない、おおざっぱな人間にとってはにわかに信じ難い話かもしれないが、細かい作業をし続けることが何の苦でもない、むしろ迎え撃つ!という人が世の中にはいる。「サッカパウ」でパティシエとして、若き侍のような風体を舞わせ、キビキビ働く 敏彦さんがそうだ。662A7585

「それで、最初は彫金の道に進もうと思ってたんです。でもなかなか仕事がなくて」そんなある日、パティシエをやっているいとこのお姉さんが「楽しいよー」と言っていたのを聞いて、ハッとした。「そっか。パティシエも作る仕事だなと」

勇んでケーキ屋さんに就職したが、最初の頃の仕事は「雑用だけ、配送だけ」で、挫折しかけたことが何度もあった。そんな中、心の潮目が変わったのが3年め。「コンクールに出たことですね。仕事終わって疲れているのにさらに練習やって、繰り返すことで結果に出る。自分でプレッシャーを作りながら、それを達成させるのがすごく良かった」

もちろん、日々のスキルにもつながった。「素早く美しく、時間内に完成させる。あと所作や身の回りの美しさとか。食べ物なんで、きれいな仕事をしないと。緻密さが今の自分にとって身に付いてる部分なのかなと」

ちなみにそれって、私生活でも?

「それはクセというか、やっぱりありますね。生活がだらけていると、やっぱり仕事にも出ると思うんで」

ほぉ…………。662A7569662A7544

30歳で上京し、レストランのパティシエに転向。こちらものっけは苦労の連続だった「ケーキは上手く作れるんですけど、どうやって皿で表現するのかが全然分からなくて」。ただ滝さんは、料理からそのインスピレーションを得ていく。「盛り方とか、味のつけ方とか、ソースの使い方とか。それが最終的に、自分の引き出しになってます」

自分に次々とプレッシャーを与え続け、それを持ち前の吸収力でモノにする滝さん。いつかは自分のお店を、という野望もあるのだろうか。

「もちろんそれは最終的な夢なんですが、ただ僕はいつまでもプレッシャーをかけて、下積みをしている方が合ってるのかなとも思うんです。トップになることは当然いいことなんでしょうけど、それで終わっちゃう。完成されると、自分がつまらなくなっちゃいそうで。老いたくないというか、もっといろいろなことしたい」

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そんな滝さんにとって「サッカパウ」は「老いるに老えない」現場のよう。

「かなりクリエイティブなことが求められる現場ですし、まだまだだなと思います。特に今はパティシエ自分ひとりしかいないので、身幅が分かるというか……そこの違いはかなり大きいですね。やりたいことはいっぱいあっても、果たしてどこまでできるのか。今はとにかくシェフに従って、限界まで持っていこうかなと思ってます」

飾らない無垢な品格をたたえながら、公私ともに自らを律し、コツコツ修行し続ける。その姿は職人魂か、はたまたパティシエ侍か!?

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Profile

滝 敏彦 / TOSHIHIKO TAKI

サッカパウ / パティシエ
S'ACCAPAU / patissier

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