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TAKU TABUCHI

Voice

イタリアに愛された男がたどりついた域。

一流のシェフになるための、先人が切り開いてきた「道」がある。日本のレストランを経て→海外で数年修行をし→独立して日本で自分のお店を持つ。ここ数十年、日本のレストラン界は、そうしてレベルが上がってきた。田渕もご多分に漏れず、その「道」をまっすぐひた歩いてきた。そう、途中までは。

彼がイタリア料理と出合ったのは、学生時代でのアルバイト。そのまま就職をし、いくつかのレストランを転々としたのち、イタリア行きを決意した。「当時ブームだったんですかね。お店が増えていくなかで、本場を見てみたいと思うようになったんです。そのほうが、話が早そうだなと」

きっと相性がよかったのだろう、幸運はあたかもラテンの太陽のように、惜しみなく田渕のもとに降り注いだ。ローマからはじまり、ナポリ、シチリア、ピエモンテ……イタリア全州ほぼめぐり、また庶民のトラットリアから一流のリストランテまで、多くのお店の厨房をのぞくチャンスを得た。「料理も地方によっていろんな特色があるのを知って、その全部を見てみたいと思ったんです」。ひとつを突き詰めるのではなく、上から下まで、さまざまなイタリアを実際に、身をもって経験した。どこまでも自由に、興味と好奇心の赴くままに。そうしてたどり着いたのは、イタリア料理は、素材の選び方や扱い方、調理法に至るまで、すべては地方料理に通ずるということ。「それを習った上での、クリエイティブなんだなって。考え方が変わりました」

やがてドイツからお声がかかり、メインシェフとして2軒のリストランテを経営、成功に導いたのち、2016年、実に15年ぶりに帰国。おりしも学生時代からの友人であった「D-Links株式会社」代表の大澤と再会、世界じゅうのレストランへと視察をしたのち、一緒に西麻布の新店「サッカパウ」の店作りに携わることになった。

彼に託された役目は、職人として、また表現者として独自の感性を発揮しながらも、フードビジネスとして、時代のニーズに添わせた「稼げるシェフ」となること。

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「すべてがあふれている東京だからこそ、僕が見てきた、イタリアのいろんな地方料理の手法を生かしながらも型にはまらない、世の中にない料理を試していきたい。日本でまだ知られてない食材や、その扱い方をふくめ、緻密に組み合わせていくことで、文化が伸びる、新しい文化が生まれるきっかけとなって欲しいですね」

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そのためにも、ひとりの力よりも、チームで動かしていくことの意味を感じている。「お互い長けている部分がありますし、それをミックスすることがチームプレイのよさ。僕も料理に集中できるのはすごくありがたいことですし、強みを、よりよく出していければと思っています」

Profile

田淵 拓 / TAKU TABUCHI

デリシャス・リンクス / フードクリエーター
サッカパウ / エグゼクティブ・シェフ

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